インカレ優勝、国体優勝——ソフトテニスの頂点を極めた永井里佳。 実業団の道を断り、競技から離れた彼女が再び熱くなれたのは、ピックルボールとの出会いだった。
「悔しさすら楽しい」。そう語る彼女の物語を聞いた。
ソフトテニスに捧げた青春
永井里佳 ソフトテニス時代
小学3年生でラケットを握り、そこから約10年間、永井里佳の人生はソフトテニス一色だった。
福島県で頭角を現し、県大会優勝、全国都道府県対抗優勝、全国選抜大会3位と着実に実績を積み重ねる。
中学卒業後は単身上京し、文化学園大学杉並高校へ進学。 親元を離れての一人暮らし。それでも競技への情熱は揺るがなかった。
インカレでの熱戦
高校では国体優勝、選抜大会準優勝。
そして早稲田大学に進学すると、インカレ優勝、王座優勝、U20日本代表メンバーに選出されるなど、まさにソフトテニス界のトップを走り続けた。
チームメイトと喜びを分かち合う
仲間との絆
「やりきった」の先にあった空白
ありがたいことに実業団からの誘いもあった。 でも永井は、その道を選ばなかった。
「やりきった」——そう思えたから。
ただ、心の奥には別の感情もあった。 いつからかソフトテニスが「楽しい」ものではなくなっていた。
勝たなければ意味がない。負けは悪。 そんな考えに縛られ、好きで始めたはずの競技が義務になっていく。
ダブルスパートナーと
実業団に進まなかったのは「やりきった」からなのか、それとも——。 その問いは、社会人になってもずっと心に残り続けていた。
「もう一度、あれくらい熱中できるものに出会いたい」
その想いだけが、静かに燃え続けていた。
運命の出会い——ピックルボール
永井里佳
転機は、大学時代の1つ上の先輩・船水雄太がピックルボールで活躍する姿だった。
動画を見た瞬間、「なにこのスポーツ、面白そう」。直感が走った。
ちょうど去年の1月、「何か熱中できるものを見つける」を1年の目標に掲げていたタイミング。 すべてが重なった。
ピックルボールの大会で躍動する永井
実際にコートに立ってみると、最初の試合ではたった1点しか取れなかった。 全く歯が立たない。正直、かなり悔しかった。
でも同時に気づいた。 **「こんなに悔しい気持ちになるの、ソフトテニス以来だ」**と。
ダブルスでの連携プレー
そしてここが、かつてとは決定的に違うところだった。
あの頃は悔しさが苦しみだった。 でも今は、悔しさすら楽しい。 「もっと強くなりたい」という純粋な欲求に変わっている自分がいた。
気づけば、ピックルボールに夢中になっていた。
PickLink——「つながる」ウェルネスの場
永井里佳
永井は化粧品会社で約7年間働く中で、美容や健康といった"ウェルネス"への関心を深めてきた。
「自分が自分を好きでいられる状態でいたい」。 ジム、ピラティス、暗闇フィットネス——いろいろ試した。 でもどれも一人では続かなかった。
そんな中で出会ったのが、コミュニティとして楽しむウェルネスという考え方。
みんなで体を動かしながら、前向きに綺麗や健康を目指せる。 その魅力に惹かれた。
海外遠征先でのひとコマ
そしてピックルボールを始めてから、周りの声が変わり始めた。
- ●「ピックルボール気になってるけど、始め方がわからない」
- ●「ジム続かないけど、楽しく続けられる趣味がほしい」
こうした声に背中を押され、ピックルボールを通じて人と人が自然につながる場所として、コミュニティ**「PickLink」**を立ち上げた。
海外へ——今度は逃げない
永井里佳
ピックルボールは、永井にとって「もう一度本気で打ち込めるもの」になった。
世界中にプレイヤーがいて、レベルの高い選手たちと戦える環境がある。 海外のトップ選手にも、日本のトップ選手にも、まだまだ歯が立たないのが現実だ。
でも、今度は逃げない。
「やりきった」と心から思えるまで、向き合い続ける。 それがソフトテニス時代に残した"問い"への、永井なりの答えだ。
ガッツポーズ
体が動く限り、挑戦をやめるつもりはない。
練習を積み重ね、これまでの悔しさもすべて糧にして、ひとつずつ乗り越えていく。
ピックルボールは、不思議なくらい中毒性のあるスポーツだ。 負けた悔しささえも、「もっと強くなりたい」という楽しさに変わる。
そんな感覚に出会えたからこそ——永井里佳の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
永井里佳 プロフィール
永井里佳 プロフィール
ソフトテニス経歴:
- ●福島県出身、小学3年生から競技開始
- ●県大会優勝 / 全国都道府県対抗優勝 / 全国選抜大会3位
- ●文化学園大学杉並高校:国体優勝 / 選抜大会準優勝
- ●早稲田大学:インカレ優勝 / 王座優勝 / U20日本代表
ピックルボール:
- ●コミュニティ「PickLink」主宰(Instagram)
- ●海外大会に積極的に挑戦中

